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赤ちゃんにフッ素は必要?フッ素の効果や危険性を解説

赤ちゃんに歯が生えてきたから虫歯予防をしたい!
でもフッ素は危険って聞いたことがあるから不安なんだよね。

そうなんですね。
ですが赤ちゃんの大切な乳歯を虫歯から守りたいですよね。
今回はフッ素の危険性や、フッ素の効果や働きについてお伝えします!

フッ素は普段使用する歯磨き粉にも含まれており、虫歯予防といえばフッ素を思い浮かぶべる方も多いと思いでしょう。

しかし赤ちゃんにフッ素を塗布するのは、危険性がないのか気になりますよね。フッ素塗布の頻度や方法など、気になっているママやパパは多いのではないでしょうか。

この記事ではフッ素の効果や働き、歯科医院でおこなうフッ素塗布、自宅でおこなうセルフケアの方法まで、ついてわかりやすくお伝えします。

正しい知識を身につけて、赤ちゃんの大切な乳歯を守りましょう。

赤ちゃんにもフッ素は必要なのか

赤ちゃんの乳歯にも、フッ素塗布は効果的で、虫歯予防のために必要なケアです。

なぜなら乳歯は大人の歯よりもやわらかく、虫歯になりやすいためです。
日常生活のなかにフッ素を上手に取り入れて、虫歯から乳歯を守りましょう。

個人差がありますが乳歯は生後6カ月頃から生え始め、1歳半頃になると上下の前歯が生えそろいます。

・セルフケアでフッ素を取り入れるなら
乳歯が生え始める生後6か月ごろから使用を検討しましょう。

・歯科医院でフッ素を塗布するタイミング
しっかり食事をとるようになり、虫歯のリスクが高まる1歳ごろが推奨されます。

フッ素の働きと効果

フッ素には次のような働きがあります。[1]

歯を強くする(歯質の強化)

フッ素は歯の表面にあるエナメル質を強化し、酸によって虫歯が溶けるのをを防ぎます。

再石灰化

食事などで歯の表面から溶け出したカルシウムやリン酸を補い、表面を修復する働きがあります。

このことを再石灰化といいます。

虫歯菌の抑制

フッ素による抗菌作用により、虫歯菌の活動を抑え、虫歯の発生を予防をします。

フッ素に危険性はある?

フッ素はWHO(世界保健機関)をはじめ、世界中の専門機関で虫歯予防に有効かつ安全な成分として認められています。
日本でも厚生労働省がフッ化物の応用を推奨しており、正しく使えば乳幼児にも安心して取り入れることができるといわれています。[2]

実際に海外では、水道水にフッ素を添加している国もあり、地域全体の虫歯予防に効果を上げている例も報告されています。

フッ素中毒のリスクとは?

一度に大量のフッ素を摂取すると、嘔吐、下痢、悪心などの急性中症状を起こす可能性があります。

体重1㎏あたりフッ素量2~5gを摂取すると中毒症になる恐れがあります。例えば1歳半10㎏の子で中毒症の見込みのあるフッ素量は20~50gです。[2]

ただし、これは通常の歯磨きやフッ素塗布では到底摂取できないような過剰な量です。
適切な量と方法を守って使用することが大切です。

フッ素塗布の方法

フッ素塗布と方法は、主に以下の2つです。

・歯科医院での専門的なケア
・自宅でのセルフケア

同じフッ素でも、歯科院で取り扱っているものと、自宅で使用するものは、濃度や使用頻度が異なります。
日常のケアで取り入れながら、定期的に歯科医院にも通うのが虫歯予防に良いとされています。

歯科医院でおこなうフッ素塗布

歯科医院では、9000ppmまでの高濃度フッ素が国により認可されており、市販のものより効果的な虫歯予防が期待できます。
塗布の頻度は3〜6カ月に1回程度が一般的です。[3]
※ppmとは、フッ素の濃度を表す単位です。たとえば「1000ppm」とは、1gの歯みがき剤にフッ素が1mg入っている状態を指します。

塗布後は、フッ素を歯にしっかり定着させるため、30分程度は飲食やうがいを控えるようにしましょう。

また、幼少期から歯科医院に定期的に通うことで、

  • ママやパパが正しい知識を身につけられる
  • 虫歯・歯並びの早期発見につながる
  • 歯科への苦手意識が育ちにくくなる

といったさまざまなメリットがあります。

フッ素塗布は1回で効果があるというわけではなく、定期的に繰り返し塗布することで虫歯予防につながります。

自宅でのセルフケア

乳歯が生えてきたら、毎日のセルフケアにもフッ素を取り入れていきましょう。

市販のフッ素配合製品の濃度は、1500ppm以下と厚生労働省により定められています。
とくに小さな子どもに使用する場合は、100〜900ppm程度の濃度が推奨されています。[3]

【使用量の目安】
・2歳以下:米粒の大きさ程度
・3~5歳:グリーンピースの大きさ程度

市販の製品には、ペースト・ジェル・フォームタイプなどさまざまな形状があります。
うがいができない年齢のお子さんには、研磨剤の入っていないジェルやフォームタイプがおすすめです。

また、100ppmや500ppmといった低濃度タイプも市販されており、年齢や発達段階に応じて使い分けることが可能です。

まとめ

赤ちゃんの歯は、虫歯になりやすくとてもデリケートです。
そのため、フッ素を使った虫歯予防は、乳歯の健康を守るためにも積極的に取り入れたいケアのひとつです。

フッ素には、歯を強くしたり、初期の虫歯を修復したり、虫歯菌を抑えるなどのさまざまな働きがあります。
一方で、「フッ素中毒が心配」という声もありますが、通常の使用方法を守っていれば、健康への影響はほとんどなく、安全に使える成分です。

厚生労働省の資料でも、年齢に応じた使い方や適切な量を守れば、フッ素の虫歯予防効果は非常に高く、安全性も確立されていることが明記されています。

日常のセルフケアと、定期的な歯科医院でのフッ素塗布をうまく組み合わせて、
大切なお子さんの歯を、乳歯のうちからしっかり守っていきましょう。


【参考文献】
[1]フッ化物利用(概論) | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-006

[2]フッ化物配合歯磨剤 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-007

[3]フッ化物歯面塗布|e-ヘルスネット (厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-008

  • この記事を書いた人
えり

えり

歯科衛生士ライターのえりです。 主に歯科医院様のコラム記事や、治療ページの原稿を執筆しています。 歯科衛生士の知識を活かした分かりやすい記事を執筆するのが得意です!

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